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アメリカの朝食を支える「時短」&「ヘルシー」をパッケージで演出!

現代のアメリカの朝食は?

アメリカの朝食といえば、ジャンボサイズのコーンフレークとミルクの定番か卵、ベーコン、などのボリューミーなイメージを持たれている方も多いでしょう。しかし最近では、健康志向の潮流が全米に広がり、都会を中心にライトでヘルシーな朝食ウェーブが始まっています。

これまでの伝統だった「コーンフレーク」王国はここに来て崩壊間近。グラノーラ、ミューズリー、オーツやドライフルーツなどバランス良い原料をミクスしたブランドがスーパーの商品棚にズラリと並び、加糖されたコーン加工品は衰退気味です。

パッケージもジャンボサイズから小サイズへ。その中で最近目につくのが、「Grab&Go」と呼ばれる、一掴みワンポーションの朝のヘルシーパッケージです。この商品はスーパーやカフェなど様々な場所に見られ、サッと買って移動中や好きな場所で食べるスタイルが、忙しいアメリカ人の新しい朝食シーンになっています。

 

キーワードは「Grab&Go」(グラブ&ゴー)。

アメリカの家庭の朝は早く、家族それぞれが仕事へ学校へと出かける前の慌ただしい時間に、家族全員がテーブルに揃うことはありません。ほとんどの夫婦は共稼ぎで家事も折半。お弁当を作る主婦もいません。そんな忙しい朝の救世主になっているのが、「Grab&Go」です。

通学、通勤バックの中にコンパクトな朝食をしのばせ、車の中での朝食やおやつに、オフィスでパソコンを見ながらの朝食にと様々なシチュエーションで大活躍中です。バラエティーなメニューは大人から子供用、離乳食まで年齢に応じた必要な栄養分がひとまとめになっています。キーワードは「時短&ヘルシー」。リンゴやバナナを食べる感覚で栄養とスタミナが補給できます。

主流となっているのは、ナッツ、プロテイン、シード(タネ類)、ミューズリー(オート麦など)とドライフルーツ、ナッツとヨーグルトやスムージーとの組み合わせです。それに加え栄養補給バーの参入メーカーも急増し多様化しています。

定番のナッツやグラノラなどの全粒穀物を固めたものからフルーツバーまで味わいや食感も向上し、商品棚を数メートルに拡大するほど市場を広げています。健康志向者のライフスタイルを意識したおしゃれなパッケージとライトでヘルシーなアピールが商戦の鍵となっています。

写真:大きく取られた売場。各社が様々なラインナップを展開しています。

写真:朝の定番、ヨーグルトとの組み合わせの一例。

写真:あらゆる種類のパッケージを検証してみました。ナッツやドライフルーツ、押し麦やドライココナッツなどのミクスはヨーグルトと小分けされ、食感が保たれるように工夫されていました。

写真:ジンジャー味のねっとりしたとヨーグルトにメープルシロップで固めた歯ごたえの良いグラノラの2層式のパッケージ。少量でも食べ答えがありジンジャー味とのバランスが美味です。

次にご紹介の商品は、 苺味の濃い飲むヨーグルトです。

特長は、容器にグラノラが巻きつけてある。グラノラをこの容器に投入して飲むと説明書に書いてあるのですが、粒がヨーグルトの粘り気に絡まり容器に残ってしまいます。さらに飲み口が小さいのでスプーンも入れることができないのが欠点です。味はいちごの風味がナチュラルで美味でした。

写真: 苺味の濃い飲むヨーグルト。グラノラが巻き付けられて販売されています。

写真:容器に巻き付かれているグラノラです。

写真:先ほどのグラノラを容器に投入します。

写真: ヨーグルトとナッツ、グラノラが平行にセパレートされたパッケージ。形はおしゃれですが、容器が小さいので少々食べにくさがあります。このヨーグルトのファンは多く今回の「Grab&go」以外にも様々な商品を開発している人気メーカーです。

ヨーグルト×〇〇、子供にも人気の食べるバーシリーズ

写真:ドライフルーツ、ココナッツなどがミックスされたパッケージ。このパックの中にヨーグルトやミルクを投入しても良いし、容器に移したヨーグルトにかける事もできます。栄養バランスは高レベルです。

写真:子供用一口サイズのベリーと野菜スティック。学校への送迎時の車の中で子供にジュース代わりに食べさせたりおやつとてして与える親が増えています。

写真:朝食バー その1

写真:朝食バー その2

ひと昔と違い、最近の朝食バーは味と食感が向上しました。甘くて美味しくヘルシーとあれば、大人と子供の間食用としても引っ張りだこです。

食べる栄養バーはこんなパターンも!

チキンブロスを飲むより食べる栄養バー!魚バージョンもあり、Omega3を気にする健康志向者の間で人気を得ています。

写真:食べる栄養バー、チキン味。

写真:食べる栄養バー、裏返すとこのようにシュリンク包装されています。めくるだけでワンハンドで簡単に食べられます。

写真:食べる栄養バー、魚バージョン。

写真:スーパーで見つけたチキンナゲットとソース。朝ホットフードを食べたい人のために小さなリサイズのサンドウィッチやナゲットもパッケージもワングラブできるよう工夫が凝らしてあリます。

写真:会社に勤める人達は、出かける前にバックパックにしのばせ、シリコンバレー方面の通勤送迎バスや電車の中で朝食を摂る人を多く見かけます。一方、SF金融街に務める人達は、ストアやカフェで「Grab&Go」をスピーディーに調達し、オフィスで朝 食を摂っているようです。

現在サンフランシスコはITバブルの最盛期。働き方も急変しています。その象徴となっているのが、朝食の摂り方。街にはファーストフード店は消え去り、健康的なカフェやイートバーで「Grab and Go」を掴みレジに並んでいる光景が見られます。アメリカ経済を支えるビジネスピープルのスマートな時間の使い方を象徴しているようです。

 
参考文献
https://kristineskitchenblog.com/25-healthy-grab-and-go-make-ahead-breakfast-recipes/

更に深掘り!プレミアムレポート(2019年2月27日追記)


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