アメリカでは、近年、サロンのような仕上がりを自宅で手軽に楽しめるセルフネイル商品が次々と登場し、ニューヨークのビューティショップや量販店でも幅広く取り扱われるようになっています。
従来はネイルサロンに通うことが一般的でしたが、最近では自宅でネイルを楽しむ人が増え、短時間で美しく仕上げられ、初心者でも使いやすい商品が人気を集めています。また、DIYネイルやネイルアートなどSNSをきっかけとしたトレンドに加え、ネイルサロン発のブランドの参入も進み、多様な商品が展開されています。
最新のネイルトレンドと、ニューヨークで販売されている注目のネイルブランドの商品とパッケージデザイン、ブランドマーケティングの工夫を紹介します。
essie
ニューヨーク発のネイルブランド「essie」は、シーズンごとにトレンドカラーを取り入れた新色コレクションを展開し、ブランドを代表するカラー「Ballet Slippers」をはじめ、洗練された上品な色合いが、幅広い世代に親しまれています。セルフネイルでも美しい仕上がりが期待できる高品質な商品でありながら、ビューティストアや量販店など身近な店舗で手軽に購入できることから、ニューヨークでは日常に根付いた定番ブランドとなっています。

2026年の新コレクションとして登場した「Glass Nails Collection」は、ガラスのような透明感とツヤのある仕上がりを楽しめるシリーズです。ニューヨークで人気を集める、ナチュラルで洗練されたネイルスタイルを手軽に楽しめます。
パッケージには、「essie」を象徴するスクエア型のクリアガラスボトルが使用されています。ボトル正面には白いブランドロゴがあり、さらにサイドには、ブランド名「essie」をガラスに立体的にエンボス加工したデザインが入っています。透明なボトル越しにカラーが美しく映え、シンプルながら上質感のあるブランドイメージが伝わってきます。

Olive & June
最近ニューヨークのビューティストアや量販店で存在感があるブランドのひとつが、「Olive & June」です。誰でも自宅でサロン品質のセルフネイルを楽しめることをコンセプトに展開する、ロサンゼルス発のネイルブランドです。ネイル初心者でも迷わず使いやすい設計の商品が充実しており、ネイルケアから、ネイルカラー、ジェルネイル、ネイルチップまで、幅広いラインアップを展開しています。
ブランドを代表する商品のひとつが、スターターキットです。ビルダージェルやLEDライトなど、セルフジェルネイルに必要なアイテムを一式揃えたオールインワンキットで、初心者でもサロンのような本格的なジェルネイルを手軽に始められます。

また、「Olive & June」はネイルカラーだけでなく、爪本来の美しさを育てるネイルケア製品にも力を入れています。代表的な商品のひとつである「Nail Strengthener」は、ジェルネイルなどで傷んだ爪を保護、補強し、健康的な爪へ導くネイルケアアイテムです。
パッケージは、ブランドカラーであるピンクを基調としたデザインが特徴です。商品カテゴリーを問わず統一感のあるデザインにすることで、ブランドの世界観を表現するとともに、SNSでも映えるスタイリッシュなパッケージが使用されています。

ネイルポリッシュに加え、ネイルチップのラインアップも充実しています。印象的だったのは、パッケージの穴に指を入れて、実際にネイルチップのフィット感を確かめられる工夫があることです。自分に合う色味やサイズ感かどうか不安に思う購入者に寄り添った実用的なパッケージデザインです。

また、初心者を中心に幅広い世代をターゲットとしており、キッズやティーン向けの小さめサイズのネイルチップも展開しています。グルーを使わなくていいシールタイプを採用することで、簡単に貼り付け、取り外しができ、全くの初心者でも気軽にネイルを楽しめます。

Londontown
ナチュラルな美しい爪を育てるという新しい価値観を大切にするネイルブランドとして注目されているのが、ニューヨークを拠点とする「Londontown」です。これまでのネイルは、色を楽しむことが主な目的でしたが、こちらのブランドは、爪のケアを第一に考え、健やかな爪を育みながらカラーも楽しめることをコンセプトにしています。
クリーンビューティへの関心が高まる中、有害とされる成分の使用をできるだけ避け、植物由来の成分を配合した商品を展開しています。爪への負担を抑えながら美しく健やかな爪へ導く処方が特徴です。
ネイル商品としては珍しく、外箱付きで高級感のあるパッケージとなっています。外箱は、白を基調に、緑の葉をあしらったナチュラルなデザインです。植物をモチーフにしたデザインは、自然派のスキンケアを思わせるような印象を与え、このブランドの特徴であるナチュラルでクリーンな世界観を表現しているように感じました。また、箱には窓が設けられており、そこから透明のガラスボトルが見え、商品の色味と質感が一目で確認できる作りになっています。

最近は、ナチュラルメイクのように本来の美しさを引き立たせる「ナチュラルネイル」が、大きなトレンドとなっています。飾り過ぎず、上品で洗練された美しさを大切にする「クワイエットラグジュアリー」の広がりを背景に、「Londontown」は、ナチュラル志向やミニマルなライフスタイルを好む消費者から支持を集めています。ネイルケアとネイルカラーの中間という新たなカテゴリーを提案するブランドとして存在感を高めています。
ブランドを代表する商品のひとつが、「Illuminating Nail Concealer」です。自爪を自然に美しく見せる、「ネイルコンシーラー」という新しい発想から生まれた人気アイテムで、中でも定番のオリジナルカラーは、爪本来の血色感と透明感を引き立てるシアーカラーが特徴です。爪の色むらや凹凸を自然にカバーし、手入れが行き届いているようなナチュラルで美しい仕上がりを実現します。

Glamnetic
トレンド感のあるネイルデザインとサロン品質を手軽に楽しめるブランドが、2019年にロサンゼルスで誕生した「Glamnetic」です。ブランドを代表する商品である貼るだけのネイルチップ「プレスオンネイル」は、忙しいライフスタイルの中でも短時間でサロンのような仕上がりを実現できるアイテムとして人気を集めています。
代表的な人気デザインのひとつが、クラシックなフレンチネイルをベースにした、ショート丈のスクオーバル(スクエアとオーバルを組み合わせた形)のネイルチップです。ナチュラルでありながら上品さを感じさせる「クワイエットラグジュアリー」のネイルトレンドにより、ミルキーホワイトのフレンチネイルに、パールのようなツヤと光沢を加えた洗練されたデザインが人気です。
また、ネイルの長さも、これまで主流だったロングネイルから、ショート~ミディアム丈へトレンドが移りつつあります。仕事や家事など日常のいろいろな場面で快適に過ごせることから、デザイン性と実用性を兼ね備えたネイルが求められるようになっています。ショート丈のスクオーバルは、手元をすっきりと美しく見せるデザインでトレンド感がありながら、日常生活にもなじみやすく、幅広いシーンで使いやすいのが魅力です。
パッケージは、ブランドカラーである淡いピンク色を基調としたシンプルで洗練されたデザインです。正面には大きな透明の窓があり、ネイルチップの色や形、質感がよく見えます。

さらに、店頭で陳列された際に透明窓が美しく並び、ネイルデザインが最も魅力的に見えることを意識した設計のデザインパッケージとなっています。店頭だけでなく、SNSマーケティングにも力を入れており、簡単に装着できる様子や、豊富なデザインを動画で紹介することで、誰でも自宅で簡単にサロンのようなネイル体験を楽しめることを発信しています。

パッケージの中には、ネイルチップに加え、ネイルグルー、ネイルファイル、ウッドスティック、アルコールパッドなど、装着に必要なアイテムが一式入っています。購入後すぐに使用できるオールインワンパッケージで、プレスオンネイルが初めての人でも、使いやすい設計になっています。

Chillhouse
ニューヨーク・ソーホーにネイルスタジオを構える「Chillhouse」は、サロンで人気のネイルデザインを自宅でも楽しめるよう、プレスオンネイルやネイルポリッシュなどを展開しているブランドです。
サロン発のブランドでありながら、現在は量販店でも販売されており、より幅広い層へとブランドを広げています。ブランドを代表するプレスオンネイル「Chill Tips」は、ニューヨークらしい洗練されたデザインと、短時間で装着できる手軽さが特徴です。サロンで生まれたトレンド感のあるネイルデザインを、自宅で手軽に再現できることから、サロンに通う時間やコストを抑えたい忙しいニューヨーカーに支持されています。

パッケージの中には、さまざまなサイズのネイルチップに加え、ネイルグルー、ネイルファイル、ウッドスティック、アルコールパッドなど、装着に必要なアイテムがセットになっています。初めての人でも、購入後すぐ付属のアイテムを使って簡単にネイルチップを装着できます。
パッケージは、ブランドの世界観を感じさせるスタイリッシュなデザインで印象的です。ブランドロゴや商品名、箱の透明窓から見えるネイルチップの背景には、光の当たり方によって七色に輝くホログラム素材が使用されています。店頭の照明でもキラキラと輝いて存在感があり、数多くの商品が並ぶ売り場でも目を引くデザインになっています。

また、このブランドの商品では、パッケージ側面に指を入れ、自分の指に合わせてネイルチップのサイズ感や色味を確認できる工夫が施されているものもあります。購入前でも装着後の仕上がりをイメージしやすいパッケージデザインです。

デザインは、シンプルなものから立体感があるもの、遊び心のあるアートネイルまで幅広く展開されています。ニューヨークらしいデザイン性の高さもこのブランドの大きな魅力となっています。

Dashing Diva
ニューヨーク発のネイルブランド「Dashing Diva」は、ネイルサロンからスタートしたブランドです。2017年からセルフネイル用のジェル商品に注力し、現在では、サロン品質のネイルを自宅で手軽に楽しめるセルフネイル製品を世界各国で展開しています。商品ラインアップは、プレスオンネイル、ジェルネイルシール、ネイルポリッシュなど幅広く、初心者向けから本格派まで多様なニーズに対応しています。
代表商品には、1本で仕上がるオールインワンジェル「One Gel」、グルー不要のプレスオンネイル「Magic Press」、貼るだけのジェルネイルシール「Gloss」、LEDライトで硬化させる半硬化ジェルネイルシール「Glaze」などがあります。幅広いカテゴリーの商品を展開することで、多様化するセルフネイル市場のニーズに応えるブランドとして存在感を高めています。

Heyhae
ロサンゼルス発のネイルブランド「Heyhae」は、「Sun-cured Gel Nails」を展開する注目のセルフネイルブランドです。一般的なジェルネイルシールのようにUVライトやLEDランプを使用せず、自然の太陽光で硬化するジェルネイルシールのため、専用機器が不要です。手軽にジェルネイルを楽しめる新しいタイプのセルフネイルとして人気になっています。貼るだけでサロンのようなツヤと立体感のある仕上がりになり、短時間で装着できる手軽さが魅力です。
パッケージデザインもブランドの大きな特徴となっており、「Hey, Sunset Drive?」をはじめ、遊び心のある商品名になっています。さらに、食品やスイーツを思わせるポップでカラフルなパッケージデザインは、売り場でも目を引きます。量販店で手軽に購入でき、高い機能性だけでなく、パッケージやネーミングなど個性的なブランドの世界観が印象的です。

アメリカでは、近年、セルフネイル市場の拡大に伴い、ネイル関連商品も多様化しています。ニューヨークやロサンゼルスなどアメリカの大都市では、ネイルサロンが数多くあり、ネイルサロン文化が定着しています。しかし、サービス価格の上昇や、SNSを通じて人気となっているDIYネイルやネイルアートのトレンドの影響もあり、自宅で手軽にサロン品質のネイルを楽しめる商品の需要が高まっています。そのような状況の中、長く続く老舗ブランドに加え、ネイルサロン発の新たなブランドも参入し、季節ごとに新色コレクションを展開するなど、多様なセルフネイル商品が登場しています。
販売チャネルも多様化しており、従来のネイルサロンやビューティショップ、量販店に加え、自社ブランドのネットショップや、Amazon、TikTok ShopなどのECモール、SNSを活用した販売も拡大しています。そのようなオンライン販売のシェアが拡大していることも商品の多様化に寄与しています。
商品カテゴリーでは、従来のネイルカラーに加え、ジェルネイル、ジェルネイルシール、プレスオンネイルなど、より手軽で完成度の高いセルフネイル商品が充実しています。LEDランプ付きのスターターキットや、初心者向けのオールインワン商品など、セルフネイルを始めやすい商品の選択肢も増えています。また、有害成分を排除し安全性を高め、環境にも優しいクリーンビューティなどライフスタイル的なトレンドを積極的に取り入れるブランドもあり、さまざまな層をターゲットとした商品が見られるようになっています。
今回紹介したブランドはいずれも、商品の機能性だけでなく、店頭で目を引く工夫を凝らしたパッケージデザインや、SNSを活用したブランド発信など、それぞれ独自のマーケティング戦略を展開していました。今後もセルフネイル市場では、使いやすさやデザイン性に加え、パッケージやブランド体験も重要になっていくと考えられます。
▼編集部おすすめ記事
フランスに学ぶ「脱・エコ疲れ」——最先端はオーガニックコスメのDIY!楽しむことがエコの真髄
なぜ韓国コスメはヒットを連発できるのか。コラボレーションによる商品企画力がすごい
