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北欧の「新世代」歯ブラシ。キーワードは多様性とサステイナブル?

Photo:多様性のあるデザインとプラスチック削減。歯ブラシに新しい動きが起きている。

北欧デザインとは?

環境対策に関心が高い北欧。これまで「北欧デザイン」といえば、日本のメディアではこのようなキーワードが定番でした。

・機能的
・シンプル
・自然からインスピレーションを受けた
・洗練された
・長く使える
・冬が長いから、室内では明るい色

新しい北欧デザインは、地球環境に優しく、ひとりひとりの個性に合わせて

私は最近の北欧デザインの特徴に、新たなポイントが加わったと思っています。それは、「多様性」と「サステイナブル」です。

商品製造中や商品がゴミとして捨てられた後も、地球環境にも労働者にも優しく、企業が透明性を重視。いろいろなライフスタイルや価値観がある時代、多様性を受け入れて選択肢を増やす。無駄な包装、プラスチック製、使い捨て、安すぎるものは、これからは店頭からどんどん減り、市民の企業に対する「さらなる選択肢を」「サステイナブルであれ」という要望は、より高まっていくでしょう。そしてその傾向は、「歯ブラシ」からも見てとれます。

ノルウェー「ジョーダン(Jordan)」の歯ブラシ

Photo:ノルウェー・首都オスロのスーパーにて。デザインは頻繁に変わる

北欧の歯ブラシデザインで有名なものといえば、ノルウェーの「ジョーダン(Jordan)」。日本でも一部のシリーズは入手可能です。

Photo:クールからカワイイまで、多種多様なデザインを出しています。

スーパーに行くと、何種類もの模様から「自分にはこれ!」というものを選ぶことができるでしょう。買う度に選択できる「飽きない」楽しみは、他のブランドと大きく違います。

Photo:キッズ向けは遊び心満載!

ノルウェーといえば、デザインの観点では北欧他国に見劣りしがちなのですが、この歯ブラシ分野においては、他国のスーパーでも棚の幅を大きくを占めて販売されています。

Photo:こちらはフィンランドのスーパーにて。ノルウェーのジョーダン、エコシリーズが並んでいます。フィンランドはムーミンの国なので、右側のキッズ用にはムーミンキャラクター。手持ち部分の形がぐにょぐにょしています。

Photo:どれにしよう?楽しく迷ってしまいます。

Photo:黒くてクールな歯ブラシはあまり見かけたことがないので、気になった1本

Photo:手持ち部分はまるでアートのよう

Photo:横から。裏側も表側と同じようなデザイン。バスルームに置いておくと、おしゃれ

Photo:ジョーダンは数々のデザイン賞を受賞していることでも有名です。パッケージの裏側ではアワード受賞を強調。

ジョーダンの歯ブラシは、日本のガイドブックでもお土産としておすすめされています。私のノルウェーの友人たちは、「どうして海外旅行のお土産で歯ブラシ!?」と驚くようです。

環境派のお客様にも喜んでもらえるように

さて、そのジョーダンの歯ブラシですが、エコな商品を求める消費者層のためのシリーズ「グリーン・クリーン」を出しています。

Photo:先ほどのジョーダンはプラスチックのパッケージでしたが、同じ会社から全く違うシリーズが出ています。

Photo:パッケージの裏側。デザイナーの名前も記載されています。ラベルは森林管理認証マーク付きの紙で製造

Photo:100%リサイクルされた持ち手部分、リサイクルされた外装の紙箱、ブラシ部分はバイオベースのナイロンと目立つように主張

最近では、多くのスーパーで目立つように置かれています。

Photo:北欧デザインブランド「HAY(ヘイ)」とコラボレーションしたジョーダン歯ブラシもあり、エコシリーズと同じ人がデザイン。

HAY版はスーパーではなく、デザインショップやお土産屋さんで見つかります。こちらはノルウェー第二の都市ベルゲンの雑貨屋で購入。日曜日は大型スーパーが閉まっていて、歯ブラシが見つからずに困っていたら、雑貨屋でこちらを発見しました。

Photo:HAYシリーズ

昨年日本に一時帰国し、友人宅に泊まっていた時のこと。私はHAYシリーズを旅行や出張先で使っていたのですが、この歯ブラシを洗面所に置いていると、「ねえ、あの歯ブラシはなに?さすが北欧デザインだね」と見慣れないデザインに友人が気づいたのには驚きました。「おや?」と人に思わせる歯ブラシデザインって、珍しくはないでしょうか。

スウェーデンの竹歯ブラシ!

Photo:竹の香りがする木製の歯ブラシを使ったことはありますか?

ノルウェーのお隣の国スウェーデンといえば、更にエコな取り組みが盛んなイメージを私は持っています。

スーパーでまず目に留まったのが、「The Humble Co.」社の歯ブラシ。この企業は、デンタルフロス、ガム、綿棒、竹のストローなど、全商品において、地球環境で優しいものであることに徹底しています。サステイナブルな暮らしをしたい人は、ロゴを見るだけで安心して購入できるわけです。

Photo:さて、こちらの歯ブラシ、外装パッケージのデザインを見るだけで「プラスチックを使わないぞ」という企業の強い意志が商品写真から伝わってきました。

Photo:手持ち部分は「サステイナブルに育てられた、100%生分解可能な竹」で作られています。ブラシ部分はオーラルケアにも配慮されて選ばれたナイロン6を使用。プラスチックの歯ブラシが海などに捨てられてずっと残る、という心配がないわけです。

外装の箱はリサイクルされた紙。中で歯ブラシを包んでいる白い包みは生分解性。ブラシ部分は完全な生分解性ではないようですが、この歯ブラシが海に流れても、竹製の手持ち部分は分解されることになります。

「ブラシ部分はペンチで取り外すか、割ってプラスチックゴミに。竹製の手持ち部分は庭にコンポスト容器があれば、6か月ほどで土に帰ります」と書かれていました。ペンチが家にない私には、取り外しにくいかも。

海で永久的に残るプラスチックの歯ブラシ

外装パッケージには「毎年、年に36憶本ものプラスチック製歯ブラシが製造されていると知っていましたか?」と書かれています。私は知りませんでした。

「歯ブラシが海に流れるの?私はちゃんと捨てている」と思った方もいるのではないでしょうか。ネット検索すると、予想以上に大量の歯ブラシが海に漂着し、分解されずにいる写真を簡単に見つけることができます。英語で「toothbrush ocean」と画像検索してみてください(日本語より、英語のほうが出てきます)。

さて、この竹製歯ブラシ、意外なことで私を喜ばせてくれました。パッケージから取り出してびっくり! とってもいい竹の香りがするんです!まるでアロマテラピー効果。森林の中にいる感じがしました。このことはパッケージにも書かれていなかったので、意外なサプライズ。歯ブラシを試用中も、とてもいい香りがしました。(翌日には香りは殆ど消えていました。)

Photo:歯ブラシ容器もありました。こちらもびっくり

写真以上にかっこいい現物。つるつると触り心地がよく、丸くて持ちやすいです。竹の香りもぽわーっとするし、歯ブラシ容器以外にも使いたくなるクールさでした。

Photo:歯ブラシ以外の物も入れられそう

Photo:水や空気が通りやすいように穴も開いています。

Photo:出張や旅行に持参したら、わくわくが増えそう!あまりにいい香りで何度もくんくんとかいでしまいました。

Photo:子ども用サイズもあります。

私にとって、海外製の歯ブラシはサイズが大きすぎることが多く、子どもサイズのほうが使いやすいことがあります。こちらの歯ブラシも使ってみると違和感がありませんでした。

フロスもプラ削減の方向に

歯ブラシではないのですが、スウェーデンの竹歯ブラシのHumble社からはフロスピックスも出ています。

Photo:「ミント味がする」と謳われています。しかし、この記事を書きながらフロスをしているのですが、何の味もしません(笑)

Photo:手持ち部分の40%はトウモロコシ。残りは植物由来の樹脂・ポリ乳酸。紐部分はナイロン。従来のプラ製のフロスよりは環境に優しいですね。

Photo:私の家にあるフロスは、ノルウェーのジョーダン社のプラスチック製でした。

Photo:従来のプラスチック製よりも脆いと商品には書かれていますが、使用してみて違和感はありませんでした。

Humble社の売上金の一部は、発展途上国の子どもたちのヘルスケア・プロジェクトのために使用されます。2013年にスタートしたばかりの企業ですが、数年後にはもっとエコな技術で商品開発をしていそうです。

使ってみた感想は?

Photo:どうせ買うなら、プラスチック製じゃないほうが気持ちもいいなと、エコな記事を書くことが多い私は思います。

今回の歯ブラシですが、スウェーデン製のものはフィンランドで購入していたり、ノルウェー製のものはデンマーク、スウェーデン、フィンランドのどの国でも売られていました。ほかにも韓国や英国など、他国のエコな歯ブラシも並んでいます。また、歯ブラシだけでなく、歯磨き粉やフロスも同様の動き。プラスチック製のオーラルケア用品は、これからどんどん減っていくのかもしれません。

私にとって、海外製はブラシ部分のサイズが大きすぎることがあります。基本的に柔らかさはソフトを選び、ブラシ部分も小さいものが好き。キッズサイズでも問題なく使えます。全て使用してみましたが、これといって、どれがすごく良くて、どれかが合わなかったということはありませんでした。

Photo:私たちのニーズや価値観に合ったものをより選べるように。たった1本の歯ブラシから、時代が変わりつつあることを感じました。

どの商品も歯医者とコラボレーションし、歯の治療ケアのことも考えられています。ただ、それは当たり前の条件なので、どのパッケージも選択肢の広がったデザイン、そして地球環境に徹底したものであることをより強調しています。地球上にプラスチックのごみが増えないように、歯ブラシの素材が変わるだけでも、小さな変化は大きな変化になります。

Photo&Text: Asaki Abumi

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