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人生のモーメントを演出する「カスタムケーキ」——アメリカのバースデービジネスが進化している

進化、拡大するケーキ市場

昔も今も人生のお祝いの場面に欠かせないケーキ。そのケーキ市場に変化が起きています。色やデザイン、デコレーションまでオーダする「カスタムケーキ」が流行し、「バービー人形」や「トーマストレイン」などのキャラクター立体ケーキが、子供のバースデーに大人気となっています。

そして最近では、美術館に展示されそうなハイテク技術を駆使した3Dプリンターケーキが登場し話題を集めています。パーティーを華やかに演出するケーキ市場は、進化しながら拡大しています。

Photo:全米で大人気の3Dケーキ、「バービー人形ケーキ」

Photo:犬にもケーキ!?誕生日を祝う家庭も増え、種類は人間用と犬用に別れている!

Photo:ミニケーキからカップケーキまでカスタマイズ可能。容器も可愛くプチ祝いにもピッタリ!

夢が広がる子どものバースデービジネス市場

ケーキ市場で最も需要が高い子どものバースデーケーキは、時代と共にエンターテイメント性を増してきています。ストーリーの中の主人公を形にしたSNS映えするケーキが人気で、その種類も増えています。しかし手作りに丸二日間かかるそう。なので、プラスチックの人形にドレスを着せたり、3Dプリンターでケーキのトップをデザインする手法も増えています。

また、バースデーパーティーの規模も拡大し、会場もホームを飛び出し、公園に遊具を設置したり、子どもが遊べる「ジェンピング」や滑り台施設を備えた20人〜50人規模の「パーティー会場」が激増しています。

また、サンフランシスコでは「アイスクリーム美術館」も季間でオープンし、子どものバースデーは大人も巻き込む一大イベントとなっています。

Photo:バースデー用に公園にレンタルの遊具を設置するパーティーが流行しています

Photo:子どもが遊べる施設を使ったバースデー。遊んだ後ケーキカットがあります

Photo:ケーキ登場の瞬間はまさにエンターテイメント!子どもが目を輝かせます

カリフォルニアでブレイク中の「Susie cake」

カリフォルニア州でカスタムケーキブームを巻き起こした人気のケーキショップ、「Susie Cake」(スージーケーキ)を訪ねてみました。同店は、シカゴ生まれの起業家、スーザンさんがサンタモニカで創業した伝統的なアメリカンケーキで「おばあちゃんのレシピ」を使用した手作りがテーマになっています。

カスタムケーキとバラエティーな種類で子どもをもつ親から圧倒的な支持を得てビジネスは急成長しました。現在、創業10年を待たずもカリフォルニア州を中心に全米で30店舗近くを展開しています。

Photo:パステルのストアカラーのエントランスは歩く人を惹きつける

Photo:いつでも買える定番ケーキからカスタムまで種類豊富

Photo:色もデザインも選べ、オリジナリティと手作り感が特徴

棚には色とりどりのカスタムケーキが並べられ、話題の3Dケーキもありました。狭い店には客が次々と訪れ、注文したオリジナルケーキをピックアップしていました。

全ての注文は、オンラインか店頭から可能です。まずベースとなるケーキの種類を選び、色やデザイン、仕上げのデコレーションまでをカスタム化していきます。人気キャラクターやお花模様、自動車のデザインケーキは、子どもにとってまさに「ドリームカムトゥルー」!

平均的な丸いケーキの金額は$50前後ですが、3Dになるとお値段は$120以上にアップします。それでも親にとって子どもの「モーメント=記念すべき瞬間」を祝う金額としては、決して高く無いようです。また、最近では愛犬の誕生日を祝うカスタム注文も増えているそうです。デリバリーも可能で、至れり尽くせりのサービスが揃っています。

Photo:色もデザインも選べ、オリジナリティと手作り感が特徴

Photo:スタッフが要望に応えペイントしたりデコレーションを施す

Photo:丸い定番ケーキは$50前後からカスタムできる

人をワクワクさせるブランディング

「スージーケーキ」の成功には二つの理由が挙げられます。その一つに、人の心をハッピーに魅了するブランディングが挙げられます。50年代のオールディーズを彷彿させるデザインと、明るいペパーミントのストアカラーが目を惹きます。白の水玉模様の箱を見るとワクワク感が伝わる——それが「スージーケーキ」ブランド力の魔法です。

また、ケーキの箱も一工夫あり、箱の蓋が二段階に調節出来るようになっています。ケーキがチラ見できるので注文を確かめたり、会場でバースデースピリットを盛り上げる効果もあります。

Photo:半開で中身のケーキが覗けます。パーティではリアル感を出す演出も兼ねています

Photo:カラフルなケーキがお店に並び、次々とピックアップする客が出入りします

Photo:一工夫で中身が楽に確認できるボックス

第二の理由はコンセプトにあるでしょう。「おばあちゃんのレシピ」、ゆっくりした「手作り」の工程は、今まで工場生産中心だったケーキ市場に革新をもたらしました。そして甘い一辺倒のケーキから、良質な材料を使用した「品質」を重視するアメリカケーキの変化でもあります。このクラフト感溢れるプロセスが、リピーター達を保持する所以なのでしょう。

Photo:手作りのキーライムパイ。二人用サイズで$11。バースデーカードも同店のオリジナル

Photo:好きな色で好きな文字をその場でスタッフが書いてくれる

バースデービジネスの波及効果

サンフランシスコで一時期のカップケーキブームは過ぎ去っていますが、バースデー需要は健在です。カップケーキも扱うケーキショップは子どもに夢をもたらすカラフルなボックスやデコレーションで依然人気を保持しています。招待されるゲストも楽しいひと時を飾る華やかなギフトを手にし、祝いの「モーメント」に備えます。

バースデービジネスはアクセサリーからギフトバック、パーティ用品までその波及効果を広げています。

Photo:色とりどりのカップケーキは子どもを持つお母さん達に大人気。プチご褒美にも

Photo:バースデー用のキャンドルや小物も種類豊富

Photo:ギフトを入れる紙袋も進化しています。包まなくてもティッシュをクシャクシャと袋に入れ、カードを入れる袋まで付いています

パーティの機会が少ない日本では「ホールケーキ」と言えばまだ「オケージョナル(=特別な機会)」の印象がありますね。しかしお菓子大国、日本。用途向けにカスタマイズしたりオリジナリティを持たす事で、ケーキにしか出せないエンターテイメント性を引き出し、価値観が上がれば、波及効果につながるのだと期待されます。

次回はサンフランシスコの社会に変化を齎している「大人のケーキ」と、パーティーの進化についてリポートをお届けします。

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