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サンフランシスコ市と住人が本気で挑む、脱プラスチック——「マイストロー」の時代は来るのか(後編)

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サンフランシスコ市と住人が本気で挑む、脱プラスチック——「マイストロー」の時代は来るのか(前編)

サンフランシスコでプラスチックストロー廃止が実践されて、もうすぐ半年。では、実際にカフェやレストランでは、脱プラスチックストローにどのような対応をしているのでしょうか。街で検証してみました。

タピオカやジェリーが入っているもの、また濃厚なドリンクには、口径が広い竹(バンブー)素材のストローが使用されていました。あるカフェでは濃厚なドリンクにスプーンを出しています。レストランでストローが必要なジュース類には、強度の高い紙製ストローを使用したり、カクテルなどを扱うバーではリユースが可能なメタルのストローがオシャレ感を醸し出していました。そして家庭用には、ガラスやメタルのストローが売れてきているそうです。

Photo:市販のストローはリユースかコンポストに入れ替わりました

生分解性プラスチック(Biodegradable plastic)とリユース素材

現在、プラスチックの代替として注目を浴びているのが、生分解性プラスチックです。定義は「自然界において微生物が関与して環境に悪影響を与えない低分子化合物に分解されるプラスチック」とされています(生分解性プラスチック研究会より)。

この植物由来素材は、ストローだけではなくテイクアウト用のボックスやスプーンにも使用されています。脱プラスチックストローは、このような生分解性とリユース商品が市場を賑わせています。サンフランシスコの飲食店では、プラスチックストローが廃止になる前に、代替となる素材を使ったストローをテストしながら準備を進めてきました。

どんな素材が普及しているか

ここで、今最も普及している素材を並べてみましょう。

「竹(バンブー)」
現在最も普及している素材。水分を含んでも変形がなく、タピオカドリンクなどに使う太い口径にもフィットします。味や香りも変わらず飲料を堪能できます。

Photo:バンブーストローを使用するデリやドリンク店が増えている

「ガラス」
唯一緩やかに曲がったデザインが可能なガラスのストローは、まず見た目が綺麗です。まるでビストロを想像させるカラフルでおしゃれな存在です。ただ、割れやすいという欠点もあります。飲み口はスムースで飲み心地も良く、美しい外観。個人的には家庭で持っていたい商品です。

Photo:置いておくだけでも美しい家庭用のガラスストロー

「ステンレス(アルミ)」
バーでよく見かけるストローです。特に冷たい温度がドリンクの美味しさを引き立てる効果があります。温度を伝えやすいステンレスのストローでカクテルを飲むと、ひんやり感があり絶品です。太めのステンレスストローが多く、洗いやすい素材でもあります。

Photo:カフェでも販売しているアルミストロー。口径が広くドリンクの美味しさもアップ

「 紙」
最初にプラスチックの代替として登場した紙ストローです。強度が弱く時間が経つと水分を含み形状が保てないという性質がありますが、最近は進化して、しばらく水に浸かっても変形しにくくなっています。子供のミルクや小さなジュースなど、素早く飲めるドリンクには適応するようです。

Photo:クリームソーダなどの濃厚なドリンクにも、強度が増した紙製のストローが対応

「シリコン」
柔らかくフレキシブルな形状なので「マイストロー」用の折りたたみストローが市場に出回っています。場所を取らずコンパクトに纏まるため外出時には便利ですが、使用後が少し面倒です。洗浄ブラシもストローに沿って掃除しやすい形状になっています。

Photo:シリコン製は持ち歩きやすい「マイストロー」として普及を始めている ©amazon.com/Ewalite/straw

「植物」 
ポリ乳酸は、トウモロコシ、さつまいも、ジャガイモ、サトウキビ、小麦、米などのでんぷんを多く含んだ植物から作られ、またセルロース、ポリアミド11は、木や綿、ヒマシ油などの植物性油から作られます。その混合の割合から、「植物性プラスチック」としての認証がおりるそうです。

無駄なものを使用しない「リフューズ」という新しい習慣

先日テキサスに滞在していた時のこと。レストランで水を注文すると同時にプラスチックストローが出ました。その時「どうしてストローが必要なんだろう?」と、とても違和感を感じました。今まで必要の無い物を与えられ、習慣的に利用していたのでしょう。

サンフランスコのカフェやレストランでは必要に応じて代用の植物由来素材のストローで飲むか、アイスコーヒーやアイスティーはそのままグラスから飲む「リフューズ」(ストロー無し)習慣が広がっています。ストローは欠かせないサービスと思い込んでいた飲食業ですが、市民の環境意識を高めながら脱プラスチック現象が起こっています。

Photo:濃いスムージータイプにはリユースのスプーンを使う新しい習慣が始まっている

Photo:World Centric というパッケージメーカーが率先して一般市民の「脱プラ」市場を拡大している

脱プラスチックから見えてくるミニマルライフ

アメリカで脱プラスチック容器を作っているパッケージ会社の多くが「より良い世の中にしたい」という哲学やメッセージを掲げています。「サステイナビリティー」「ミニマル」「ゴミゼロ」などのキーワードが、食品メーカーや消費者へ連鎖し環境意識を高め、社会が変わる現象をずっと見てきました。

いよいよ2020年は「ゴミゼロ」の目標が達成される年。サンフランシスコで食品全般の包装全てが脱プラスチック新素材に入れ替わる日も、遠くないでしょう。

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