ノルウェーのスーパーに並ぶ、大きな歯磨き粉のようなチューブは?
北欧の冷蔵庫に高確率で常備されているものがあります。スーパーに行くとずらりと並んでいる「チューブペースト」たち。カラフルな色合いで、様々な味があり、日本の観光ガイドブックでも、おすすめのお土産としてよく紹介されています。
日本でいうと「ふりかけ」や「海苔」のような感覚で、「パンの上に載せる」ジャムやペーストのように、日ごろから使われています。
忙しい日々の中、料理の手間を省く食材はどこでも人気。その中で、パンを出して上にさっと載せて食べるだけのチューブは、現代人の忙しい生活ではより重宝されています。
フィンランド滞在中、「チューブはどうやって食べることが多いの?」と現地の人に聞いてみました。おすすめされた食材をスーパーで購入。緑の野菜、トマト、ハム、パン、そして2本のチューブをチョイス。
ヴィーガン用ペーストもあり
レバーペーストといえば、パンの上に載せると相性が良いものの定番。驚いたのが、ヴィーガン用のペーストでした。初めて見たかも?
実は私は最近、乳糖不耐症という診断が出ていて、ラクトースフリー(乳糖が少なめ)表示の食品を選ぶようにしています。右側のレバーチューブはラクトース入りなので、私が安心して食べることができるのはヴィーガン用。このような商品が増えるのは、ありがたいですね。
北欧のパンは穀物がたっぷり含まれているので、意外とお腹いっぱいになります。
ヴィーガン用のほうが、よりソフトで味は薄めでした。どちらもおいしい。コーヒーと一緒に、朝食として。
フィンランドにいる知り合いは、パーティーなどで「みんなでシェアできる大きなパン」=「ケーキパン」というものを作る時に、こちらをよく使うそうです。ケーキに生クリームを塗るように、このサーモンマヨネーズをたっぷり塗るとか。養殖サーモンがある国ならではのチューブですね。
人気者は魚の卵、キャビアペースト
北欧では、魚の卵は総称して「キャビア」と呼ばれています。この魚卵が、意外とおいしい!大抵はタラの卵です。
チューブシリーズの中で、まず何か試すなら「キャビア」と書かれているものを選んでみてください。これはもはや、日本でいうと「たらこ」のようなもの。
キャビア味は様々なブランドから出ていますが、正直、味は大きく変わらないかも。
一番上の青色チューブと真ん中の赤色チューブは、違うブランドのキャビア味。下の黄色チューブはサバ味。
サバからはオメガ3という栄養分が摂れることもあり、現地では人気がある食材です。冬が長くて暗いため、日光を浴びる量が少なくビタミンDの量が不足しがち。栄養豊富なオメガ3のオイルカプセルやシーフードは必要不可欠なものです。黄色のチューブでも、オメガ3入りであることが強調されています。
サバといえば、これまでは缶詰が定番でしたが、最近はチューブも出てきました。サバ味はキャビア味よりもさらに味が濃いめ。最近では、子どものお弁当に入れやすいように、小さなサイズのチューブもいくつか箱入りされ売られていることがあります。
魚の卵チューブは日本の食卓に合いそう
実は、北欧現地ではこのようなチューブシリーズは「パン」とセットにされて考えられていますが、日本では「お米」との相性も抜群だなと私は思っています。白米の上にふりかけのようにちょっと添えたり、アボカドなどとブレンドして丼ぶりにしたり、サラダの上にドレッシングとしてかけたり、パスタの味付けに使ったり、お茶漬けにしたり。
「パンとあるべき」という現地の常識からは離れて、日本の食卓に調味料として取り入れてみると、思わず楽しい料理ができます。
私はノルウェーで、パンよりもお米と一緒にキャビアチューブを使うことが多いのですが、現地の人からするとそれはびっくりするブレンド法です。
キャビアチューブの隠れた魅力に気づくのは、魚をたくさん食べるアジアの人たち。「アジアからの観光客が、お土産にまとめ買いしているようだ」と、現地メディアで話題になることもあります。味も様々で、キノコ味、ベーコン味、チーズ味と尽きません。どの国でもチューブの形は変わりませんが、味の豊富さで今後勝負が続くのでしょう。
▼パケトラおすすめの関連記事
世界のチューブ容器事情(歯磨き粉、食品、化粧品)
北欧の「新世代」歯ブラシ。キーワードは多様性とサステイナブル?
このライターの記事
-
2020.07.01
「植物性肉」市場が拡大する北欧ノルウェーのスーパーは、今
-
2020.02.10
「ポスト・ミルク世代」——スウェーデン発、植物性ミルクブランド「オートリー」が新たな市場へ踏み出した
-
2020.01.31
ノルウェーの街に3000個以上設置された「赤い箱」が、国民のリサイクル参加をここまで簡単にした
-
2019.12.12
高まるオーガニック需要と、北欧デザインの今——ノルウェーで信頼されるブランド「ヘリオス」とは
-
2019.11.26
北欧流「もったいない」の解決法。アプリが2つの業界に革命を起こした
-
2019.11.14
ゴミからアイデアが生まれる時代。「北欧のサーキュラーエコノミー」×「コーヒーかす」のチカラ