韓国では、日本と同じように有名ブランド同士はもちろんのこと、キャラクターとの共同制作など、様々な分野や場面でコラボレーションアイテムをよく目にします。
中でもコスメブランドからも多くのアイテムが誕生していることに驚きます。今回は、そのパッケージをご紹介しながら、韓国のコラボレーションアイテムの魅力についてひも解いていきたいと思います。
なぜこんなにもコラボレーション文化が発達しているのか?
日本では、新商品が出ると定番が売れるという現象が起きたり、初めて訪れる店舗ではまずはその店の定番人気品を購入する人が多いかと思います。しかし、韓国は新しいものを好きな人がとても多いのが特長です。
現在、一緒にとある仕事をしている韓国の某人気ブランドのデザイナーさんは、「日本人向けの商品は定番人気商品をベースにして、韓国人向けには新鮮さが感じられるデザインにするよう工夫している」とおっしゃっていました。
韓国の人たちは、珍しいものや新しいもの、話題になったものを手に取る傾向が高いそうで、「ドラマで観た!」「あの有名人が使っていた!」「人気ブランドからコラボアイテムが出た!」となると、いち早く手に入れたいという人が多いようです。
写真は、種類豊富なディズニーとスヌーピーシリーズがデザインされた、ネイルチップとシールです。特にディズニーは、ミッキー&ミニーからプーさん、アリス、ダンボ、ライオンキングまで、韓国ではネイルケアのコラボアイテムも幅広いラインナップが揃います。
しかし、韓国コスメのすごいところは、ただのコラボではないところ。ディズニーファンではない私ですら、そのデザインの可愛さについ足が止まってしまい購入してしまいました。そのくらいデザイン力も高く、新しいのです。このほかにも、ぼのぼのやセーラームーンといった日本のキャラクターコラボのネイルも登場していました。
「日本のキャラクター」×「韓国の企画力」。クレヨンしんちゃんグッズが大ヒット!
実はここ韓国では、2018年から今年にかけてクレヨンしんちゃんのパジャマが若い女性を中心に人気を集めています。雑貨屋さんや韓国版ユニクロとも言われる「SPAO(スパオ)」に足を運ぶと、最近では、Tシャツやサンダルにまでしんちゃんコラボのグッズが登場していました。
もちろん、コスメも登場しています。
こちらを購入し、試してみました。
しんちゃんは万能な水分補給のはちみつマスク、ひまわり(妹)は弾力アップマスク、みさえ(ママ)は鎮静ケアマスク、シロ(犬)は美白マスク、ひろし(パパ)は毛穴ケアマスクと、キャラクターに合わせた機能設定なのも面白い。
日本のキャラクターを韓国テイストに落とし込むと、こういったものが出来上がるのだなと感じました。
韓国の通信会社「カカオトーク」のキャラクターも必見!
日本では「LINE」をコミュニケーションツールの主として使用していますが、韓国では「カカオトーク」がメインです。そこに登場するキャラクターたちは「カカオ フレンズ」と呼ばれ、そのなかでも人気が高い「リトル ライアン」というキャラクターは、多くのコスメブランドでコラボアイテムが発売されています。
韓国では、クリームタイプ、スプレータイプ、クッションタイプ(クッションファンデ―ションのようなタイプ)、スティックタイプなど、好みやシーンに合わせて様々な形の日焼け止めから選択できます。
日本ではあまりコラボレーションをしない印象の「スターバックスコーヒー」とも、カカオフレンズはコラボレーションしていました。
イタリアの高級ブランドとのコラボレーションで見る、アイデア力
韓国の人気コスメブランド「TONY MOLY(トニーモリー)」と、イタリアの高級ブランド「MOSCHINO(モスキーノ)」がコラボしたアイテムも「可愛い」と爆発的な人気となり、話題を集めました。
同ブランドのアイコンでもあるファッショングッズがイラストで落とし込まれたデザインが素敵ですよね。箱を捨ててしまうのが勿体ないと思うくらいです。
更に、既に完売になっているお店も多いのですが、コスメを使いきった後に「iPhoneケース」または「カードケース」として使えるアイパレットも出ていました。
▼iPhoneケースになるコスメ
▼カードケースになるコスメ
「トニーモリー」のコスメを楽しんだ後は「モスキーノ」のファッション小物として使えるというのはユニークなアイデアですね。可愛いだけでないのが、韓国の企画力のすごいところです。
限定アイテムのプロモーションは、圧倒的にInstagram!
商品のプロモ―ションは、もちろん店頭でも大規模にコーナーを設けて展開されていますが、特に韓国では、インスタグラマーを使ったインフルエンサーマーケティングでヒットを作り上げているのだと感じています。
私自身もお気に入りのインスタグラマーから韓国コスメの情報を得ることが多く、「彼女が絶賛しているなら間違いなさそう」という信頼度のようなものが、一般的な広告よりも高く感じられるような気がします。
たとえば、実際に「トニーモリー×モスキーノ」のアイテムは“映える”アイテムばかりで、インフルエンサーたちがこぞって取り上げたことで、メイク好きな一般の人たちもどんどんInstagramにアップするようになり、口コミがさらに口コミをよんで爆発的なヒットにつながったのかもしれません。
韓国のコラボグッズは、企画力とデザイン力が高い
一般的にブランドやキャラクターとのコラボレーションというと、既製品をベースに色や素材を変える、ロゴを落とし込む、というものが多いイメージでしたが、韓国のコスメブランドのコラボレーションアイテムは、コラボにふさわしいパッケージや商品を一から制作していて、“よく考えられているな”と感心させてくれるようなアイデア商品までたくさん見つかりました。コスメショップに足を運べば、つい手に取りたくなるコラボアイテムと出逢えるのも、韓国の魅力のひとつだなと気づかされました。
たくさんの人気キャラクターを生み出している日本。コラボレーションや商品企画で、新たなマーケットが開けるかもしれませんね。
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